歯科衛生士の婿

歯科衛生士話は少なめ。主にクルマと仕事のこと。

政府主導の働き方改革では絶対に生産性は上がらない

衆院選の投票日まであと数日。いい加減どこに投票するか、考えておこうと思って、改めて政党ホームページなどを見ています。

その中で気になったのが、自民党の公約「劇的な生産性の向上で、国民の所得を増やします。」というもの。

 

公約関連 | 政策 | 自由民主党

※選挙が終わってリンクが切れていたので、修正しました

 

これを見て強烈な違和感を覚えました。

「政府が働き方をどう変えるの?」と。

 

というか今現在も政府は働き方改革だなんだと推し進めているようですが、残念ながら現場にはまったく受け入れられておりません。

 

どうやって生産性を上げるか、具体的な方策もなしで「働き方を変えろ」とだけ言われている状態なので、困った各企業は仕方がないので「とりあえず早く帰れ」「有給取得率を上げろ」とだけ指示している状態です。

日本全体がそうとは言いませんが、僕の勤務先はそういう状態です。

で、何が起きるかというと、

仕事を置いてでも早く帰れ

仕事が残る

でも早く帰れ

生産量がダウンする

 

という現象が起きています。

 

生産性とは何か

さて、生産性とは何でしょうか。いうまでもなく、与えられた時間と環境の中で、どれだけの成果を上げられるか。上げた成果が「生産量」ですので、生産性の向上とはつまり、「同じ時間もしくはより短い時間で、これまで以上の生産量を確保すること」です。

そんなに難しい話ではないです。

しかし、前述したような「とりあえず早く帰れ」だけでは生産性の向上は見込めません。むしろ生産性は変わらず、ただただ生産量が減るだけ。

生産性はダウンこそしないものの、生産量が減っていては意味がありません。

 

生産性はどうすれば上がるのか

間違ってもたくさん休むとか、早く帰ることは生産性向上には直接寄与しません。

生産性向上に直接効くのは下記の二つです。

  1. 無駄を省く
  2. 単純作業を自動化する

 

 無駄を省く

例えば大企業最大の無駄の一つである、会議開催の時間調整について。

一昔前まではグループウェアも高価かつ使いにくいものが多かったため、部門をまたいだ会議開催は、いちいちメールや電話で参加者の予定を確認して会議開催を行っていました。

しかし、今ではGsuiteやOutlookなどのツールでサクッと会議時間を決められ、ついでに会議室の場所も確保できちゃいます。

「おいおいそんなの普通だろ?」と思うかもしれません。僕もつい2年前まではそう思っていました。しかし、社員3000名程度の大きめの企業に転職し、その考えを改めざるを得ませんでした。

僕の勤務先では、いまだにエクセルファイルを回したりして会議時間を決めています。もうすぐグループウェアを導入するので、解消できる予定ですが、大企業なんてそんなものです。とにかく無駄が多いのです。

 

単純作業を自動化する

もう一つが単純作業の自動化。

例えば申込書の打ち込みなどはアルバイトの皆さんが、バシバシキーボードを叩いて入力しています。わが社でもいまだに「パンチの人たち」という言葉を耳にします。

「パンチ」ってたぶん若い世代にはなじみがないと思いますが、その昔はコンピューターにデータを入力する専門の部隊がいて、入力する行為のことをパンチと言っていました。確か。

もっと前は「パンチカード」というものを作成して、それをコンピュータに読み込ませていたんですよね。さすがにこの辺は知らないのですが、、、

 

とにかく、人力なんですよ。すべて。

お客さんがwebで申し込んでくれたものであればある程度は楽なのですが、いまだ紙に押印したものが正式書類になる世界にいますので、ある程度打ち込み作業は必要です。しかし、現在ではロボットが紙の文字を読み込んで自動的にデータ化してくれます。

 

 

実は目新しいものではない

さて、今紹介したようなツール、実は全然目新しいものではありません。

グループウェアというものは10年以上前からありました。

手書き書類の読み込みは、OCRという技術なんですが、そもそも郵便局では何十年前に郵便番号を読み取る仕組みを導入していましたので、その延長ですよね。

エクセルの自動化だってVBAでやってる人がいましたし、つまりは自動化とか効率化ってさほど目新しいものではないんですよね。

ではなぜ今になってロボットやらなんやらで生産性向上がうたわれるようになったのか。

単純に言うと安価になったためです。

一昔前まではそれなりの投資が必要だったOCRも、今はスマホがあれば実行できます。

グループウェアは1アカウント月額300円程度で導入できます。

 

すごい単純なことなんです。

それを政府が大げさに「働き方改革!」なっていって進めていますが、当たり前のことなんですよ。すべて。

しかし、その当たり前のことが出来ていなかったので、日本人の生産性は先進国最低レベルといわれています。

 

なぜ当たりまえのことが出来ていないのか

生産性を上げて効率的に仕事をする。

なぜこんな当たり前のことができないのか。

僕はこの原因は成功体験と年功序列の評価システムにあると思っています。

 

成功体験

24時間働けますか?というCMがありましたが、かつての日本は家庭や自己を犠牲にしてでも仕事をとることが美徳とされてきました。

良いか悪いか、それで日本は大きな経済成長を遂げ、一時は世界2位に経済大国にまでなったのですから、その成功体験はすさまじいものです。

しかし、長時間労働で経済大国になりあがったという体験があるからこそ、いまだに年配のおじさん方は「休むのは怠け者」という意識を持っています。最近はかなり変わってきてはいますが、まだ日本人のどこかにそういった意識が残っていると思います。

とくに、早めに帰る日でも「すみません、今日はお先に失礼します」といって帰るとか。あと、有給をとるときも「申し訳ありません。」「ご迷惑おかけします。」となぜか謝る文化があります。

仕事をきっちりこなして、トラブルが起きないようにしていれば、謝る必要なんてないのに、なぜか日本人は謝ります。

これはやはり、休むこと=悪という意識がまだ残っているのではないでしょうか。

僕はなるべく「お先に失礼します」ではなく「帰りまーす」と言って帰りますし、休みを取るときは事前に「この日は休みなので」といったうえで仕事を調整するようにします。

休むことで「すみません」という必要はないのですが、かつての「モーレツ社員礼賛主義」の影響か、いまだに休みへの罪悪感が消えていないことは、一つの原因ではないでしょうか。

 

終身雇用と年功序列

もう一つの原因が終身雇用と年功序列です。

これも最近は成果主義を取り入れる会社が増えてきてはいますが、まだまだ日本は年功序列。さらには終身雇用で60歳まで会社員として勤めあげることが正義と考えている人は多くいます。特に50歳以上のおじさん方ですが。

こういう方たちが作っている評価制度は、一人ひとりを見るのではなく、「仲良くみんなで昇給。60歳まで頑張ろうね」が根底にあるので、成果を見るような評価システムにはなっていません。

みんな仲良く昇給・昇進の制度下では、個々人の努力はあまり重視されないため、特に仕事を効率化しなくても先人の後を追うだけで何となく仕事が出来てしまいます。

なので言われた仕事を言われたとおりにやるだけです。なのでいつまでたっても効率的な仕事はできません。

努力も勉強もしない、かといって他人の目が気になるので目立ってさぼりもしない。そういった雰囲気、考えでの職場では、効率化という考えが生まれるはずもなく、だらだらと長時間労働を続けてしまっている。

これが日本の現状だと思います。

 

 

 そんな、ザ・トラディショナル日本企業な僕の会社はそんな状態です。

で、政府が何をやってくれるの?という話。

なんか長くなっちゃったので、ざっくり話すと、「効率化しろ」と言われても効率化はしません。だって効率化しても評価されないんだもの。

なので、仕事の効率化のための生産性アップを本当にやりたいなら、「パフォーマンスの低さを理由とした解雇」を容認しないといけないですよ。

日本はやはり終身雇用が根付いて、仕事ができないことによる解雇はほぼ認められていません。それが生産性を悪くしている一つの要因です。これを解消するにはある程度の解雇の自由化以外にはないと思います。

 

と言いつつ、 自分が首になったらどうしよう、と不安になりますが、いつ首になっても生きていけるスキルをつけることが、生産性アップにつながるんですよね。たぶん。

 

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